2007年1月8日(Mon) 2007新年のご挨拶をかねて思うこと -対面カウンセリングの重要性について-

2007新年のご挨拶をかねて思うこと -対面カウンセリングの重要性について-   

Dr.Suzuki and his staff counsellors

2007新年のご挨拶をかねて思うこと -対面カウンセリングの重要性について-   

平成19年 明けましておめでとうございます。

今年も、皆様の「ご健康」と「美」のために尽力させて頂きます。

新年明けましておめでとうございます。今年のお正月は、久しぶりにゆっくりと、また有意義に過ごすことが出来ました。お陰で、心身ともに十分リフレッシュさせてもらいました。エネルギーの充電もしっかりと完了し、これでまた今年一年、フルに365日、妥協のない、しっかりとした高質な手術治療の提供とその責務を全うすることが出来ます。

今年は、年始めから衝撃的なニュースを耳にします。ここ近年頻発する(昔では考えられなかった)悲しい出来事を考えると、また類似事件かと慣れていく方もいるかもしれませんが、私のような、昭和30年代に幼少期を過ごした古い人間?にとっては、家族崩壊・家庭内事件は、どれもこれも決して耳慣れすることはあり得ない、とても悲哀な出来事と感じて止みません。

冒頭の衝撃的なニュースとは、もちろん東京歯科医師宅の家庭内兄妹事件です。凄惨な結果以上に私が驚いたのは、加害者の兄と被害者の妹が同じ屋根の下に住んでいながら、3年間もほとんどまともな対面的な会話がなかった、ということです。これでは血が繋がった家族といえども、大なり小なりぎくしゃくした関係になって当たり前です。その家庭だけがたまたま超特殊な環境にあったのでしょうか。昨今の一般家庭の状況を考えると皆さんの思いと同じく、否です。

現代の情報伝達手段の技術進歩には目を見張る物があります。私のような真空管白黒テレビ、ダイアル式黒電話が重宝された時代に少年期を過ごし、遠方の友人との連絡は手書きの文通が当たり前だった時代、そして緊急連絡はもっぱら電報に頼っていた時代に青年期を過ごした者には、連絡したい人に直接つながる(つながってしまう)携帯電話や、高速に大容量の情報を(何でも)提供する(提供してしまう)インターネット等の能力は、そのすごさ、すばらしさを畏怖の念無くして評価は出来ません。お陰で多くのことが懸念されます。情報流通が過剰ではないか、人の頭では消化不良になるのではないか、人格形成途上にある子供達にまで知らしめる必要のない情報が行き過ぎているのではないか、個人としての私的時間所有権の侵害はどうなのか、リアルであるべき情報内容がバーチャル的に虚飾(過飾)されすぎているのではないか、真と偽、リアルとバーチャル、ノンフィクションとフィクションがきちんと区別されずに流出されているのではないか、等々です。

これだけ情報伝達において量が豊富で手段も容易なのに、一番近い間柄の兄妹家族が疎遠だった、とは全く笑止です。どれだけ技術文明の進歩があっても、生身の人間は、肉体も心も感情も、何千年の前からいつの時代でも同じです。むしろ、 いわゆるtechnology というものが進歩するに従い、人間の理性や知性、道徳感、倫理感、家族愛などは退化していっているのではないでしょうか(私のようなアナログ人間が偉そうに言って申し訳ありません)。

先日、NHK archives (アーカイブズ) の番組をたまたま見ました。内容は昭和38年に撮影された家庭ドラマでした。当時の東京下町の普通の家庭が描かれており、25年の結婚生活を送っている夫婦を核にその娘・息子達兄弟姉妹4人が取り巻く、計6人家族の一家団らん風景がありました。皆で楽しく食卓(ちゃぶ台)を囲み食事をし、よくしゃべり、言い争いがあるも互いに思いやっている風情でした。テレビ、冷蔵庫、洗濯機が貴重で、三種の神器 と言われていた時代です。人とのコミュニケーションは、仕事、生活上は対面が原則であり、まして家庭内では毎日家族全員との対面が当たり前でした。これによって相互の理解が円滑に、また家族の絆というものが培われたのでしょう。今の時代では考えられないものです。

人間の基本は、technology とは全く別物です。 technology を否定するわけではありませんが、technology が進歩しても、人間の基本は変わらない、変わり様がない、ということです。人間の基本のコミュニケーションは、従って言うまでもなく、いつの時代でも直接の対面会話です。 これによって、初めてより多くの真意が伝わり、相互理解が深まるのです。

美容外科の診察、カウンセリングも同様です。現在は昔と違い、美容外科への相談お問い合わせの方法手段は、電子メールが多くなってきました。総論的なご説明や診断は、ある程度このメール、文字のやりとりで行うことが出来ますが、どうしても一律的になるという限界があります。従来の電話での会話は、先方患者様の話される言葉の、その口調の微妙なニュアンスをも感じ取って説明致しますが、それでも直接対面会話に適うものではありません。

患者様の方で、治療したい症状が一般的、類似的なもの、とお思いでありましても、個々それらの状態、病態は必ずといっていいほど微妙に異なります。そもそも人間の身体、お顔、皮膚、筋肉骨格系などは、同一規格で大量に生産される家電製品やお車のような品ではありません。皮膚組織一つとっても、日本人という同じ人種、同年齢、同性でありましても、その性質、性状は千差万別です。これに各人全く過程の違う、多種多様な加齢変化や生活習慣・環境的変化が加わるのですから、その個々の形態的・機能的症状や病態は、天文学的にありとあらゆるものとなります。これらに対する最適、ベストな治療計画を立てるのは、対面的な十分なる診察・カウンセリングなくしては不可能といってよいでしょう。まして、各患者様にはそれぞれ固有の社会的なご都合・背景・状況等や経済的ご都合等をお持ちなのですから、直接面談の上で、それらを十分考慮したアドバイス、治療方針を述べることが必須となります。

患者様からのご要望、訴えは、もちろん 「・・・を綺麗にしたい」 というものが代表ですが、これ一つに対しても、医師側は、いろんな角度からその治療希望の真意を的確にくみとらねばなりません。そして、上述した各人固有のご都合や条件を、十二分に理解し配慮した治療指針の説明やカウンセリングをしなければなりません。そうして初めて、患者様の意に100%即した治療がなされるのです。そのためには、当然十分時間を掛けた、直接の「対面」でのカウンセリングが必要条件となります。

患者様にとっては、お問い合わせの当初は、どうしても言いにくい、訴えにくい、遠慮してしまうなどの気持ちになるのは自然だと思います。ですから、電子メールなどはお気軽に使える相談手段だと思います。しかし、よりよい治療アドバイスを受けるためにも、是非、ご足労でしょうけれどお時間をつくり、ご来院なさり、私をはじめ、配備した数多くのベテラン美容カウンセラーと「対面」されるとよいです。きっと、本音レベルでの会話、真意が理解された親切丁寧なカウンセリングがお受けになれますこと、間違いありません。必ずプラスになると思います。お待ちしております。